烏龍茶は、その独特の風味と芳醇な香りで、世界中のお茶愛好家から愛されています。
烏龍は、発酵度合いや香り、味わいなどによって、様々な種類があります。
この記事では、代表的な5種類の烏龍茶の特徴について詳しく解説します。
烏龍茶を深く知ることで、お茶を楽しむ幅がさらに広がるでしょう。
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烏龍茶とは?
烏龍茶は、チャノキという植物の葉から作られるお茶です。
緑茶はほとんど発酵されず、紅茶は完全に発酵されます。
これに対し、烏龍茶はこれらの中間の発酵度合いを持ちます。
烏龍茶の種類は非常に多岐にわたり、軽く発酵させたものから強く発酵させたものまで様々です。
それぞれの種類によって、味わい、香り、色が異なります。
また、烏龍茶は、緑茶や紅茶よりも多い煎じ回数を楽しむことができます。
一度に抽出される成分量が少ないため、同じ茶葉を繰り返し使えます。
1煎目は香りを味わい、2~3煎目は深い味を楽しみ、4煎目以降は爽快さを感じることができます。
烏龍茶は煎じる回数が増えるごとに蒸らす時間を約10秒ずつ長くするとよいです。
烏龍茶の種類と特徴
ここでは、代表的な5種類の烏龍茶の特徴を紹介します。
それぞれの特徴は、淹れ方や品質、産地、個人の好みなどによっても異なりますが、一般的な目安として参考にしてみてください。
鉄観音茶 (てっかんのんちゃ)
- 主要な産地:中国福建省
- 加工方法:揉む→乾燥→部分発酵→茶葉を布で包んで光沢が出るまで揉む
- 発酵度合:30~40%程度の発酵度
- 茶葉:丸まっていて表面は光沢を帯びている、緑がかった茶色
- 水色:深い琥珀色で透明感がある
- 香り:花のような香りと、熟した果物のような甘い香り
- 味:旨みと甘みが強く、後味には独特の苦みが感じられる
鉄観音茶(てっかんのんちゃ)は、中国福建省安渓県の霧が多い山間部で栽培されます。
中程度から高めの発酵度を持つ烏龍茶です。
鉄観音製法という、茶葉を布で包んで団子状にして揉み込んではほぐす、という作業を繰り返します。
これにより茶葉が丸まり光沢が出ます。
花や熟した果物のような甘い香りと濃厚な味わいが特徴で、水色は深い琥珀色です。
武夷岩茶 (ぶいがんちゃ)
- 主要な産地:中国福建省武夷山地区
- 加工方法:乾燥→揉む→部分発酵→焙煎→木炭などで再び加熱
- 発酵度合:15~30%程度の発酵度
- 茶葉:細長くてねじれた形状、表面には茶葉の成分が結晶化した白い粉がついている
- 水色:深い琥珀色で透明感と深みがある
- 香り:独特の木や石炭の香りとフルーティな甘い香りが融合している
- 味:まろやかな旨みと甘みがあり、苦みや渋みは控えめ
武夷岩茶(ぶいがんちゃ)は、中国福建省の武夷山地域で栽培される烏龍茶です。
茶畑が岩肌にあり、岩肌のミネラルが茶葉に吸収されるため、風味が豊かになります。
焙煎による独特の香りと、濃厚なまろやかな旨みと甘みが特徴です。
水色は深い琥珀色で、木や石炭の香りが混ざり合ったフルーティな甘い香りが魅力的です。
味わいは独特の深みと豊かなミネラル感を持っています。
凍頂烏龍茶 (とうちょううーろんちゃ)
- 主要な産地:台湾の南投県
- 加工方法:軽く揉む→自然乾燥→発酵→加熱して発酵を止める→茶葉の形を整える→乾燥→焙煎
- 発酵度合:25~30%程度の発酵度
- 茶葉:半球の形状をしていて、淡い緑色
- 水色:淡い黄緑色で透明感がある
- 香り:新鮮な草の香りや花の香り
- 味:旨みと甘みがあり、苦みや渋みは非常に控えめ
凍頂烏龍茶(とうちょううーろんちゃ)は、台湾南投県の凍頂山周辺で栽培される烏龍茶です。
高山の気候で栽培されることで、独特の淡い緑色の茶葉が生まれ、水色は清涼感のある淡い黄緑色です。
新鮮な草や花の香りが特徴で、軽やかな味わいに旨みと甘みが感じられます。
苦みや渋みは非常に控えめです。
清涼感のある爽やかな味わいが特徴です。
高山烏龍茶 (こうざんうーろんちゃ)
- 主要な産地:台湾の高山地帯
- 加工方法:軽く揉む→自然乾燥→部分発酵→焙煎
- 発酵度合:15~25%程度の発酵度
- 茶葉:緑色がかった球形または半球形で柔らかい
- 水色:明るい緑色または黄緑色で透明感がある
- 香り:新鮮な花や草の爽やかな香り
- 味:軽やかでフレッシュな旨みと甘みがあり、苦みや渋みは非常に控えめ
高山烏龍茶(こうざんうーろんちゃ)は、台湾の高標高地域で栽培される烏龍茶です。
高地での栽培は、夜間の低温と昼間の高温の大きな温度差が特徴です。
この環境により、新鮮な花や草の香りと軽やかな味わいが生み出されます。
明るい緑色の水色と、緑色がかった球形または半球形の柔らかい茶葉が特徴です。
フレッシュな旨みと甘み、控えめな苦みや渋みが高山烏龍茶の魅力です。
東方美人茶 (とうほうびじんちゃ)
- 主要な産地:台湾の北部地域
- 加工方法:自然乾燥→発酵→加熱して発酵を止める→茶葉の形を整える→乾燥→焙煎
- 発酵度合:60~80%程度の発酵度
- 茶葉:赤みがかった茶色
- 水色:明るい琥珀色で、深みと透明感がある
- 香り:フルーティな香りと、蜂蜜や成熟した果物の甘い香り
- 味:甘みと柔らかい口当たりが特徴で、後味に軽い苦味や渋みがある
東方美人茶(とうほうびじんちゃ)は、台湾北部で生産される高発酵の烏龍茶です。
ウンカという害虫にかじられる過程が、茶葉にフルーティな香りと甘みを与えます。
その結果、濃厚な味わいが生まれます。甘みと柔らかい口当たりが特徴で、後味には軽い苦味や渋みがあります。
茶葉は赤みがかった茶色をしており、水色は明るい琥珀色です。
烏龍茶の淹れ方の目安
烏龍茶の種類によって、適切なお湯の温度、茶葉の量、抽出時間は異なります。
パッケージに書かれている通りに淹れれば問題ありませんが、パッケージに書かれていない場合は以下を参考にしてください。
抽出時間は、煎じる回数が増えるごとに約10秒ずつ長くするとよいです。
種類 | お湯の温度 | 茶葉の量 | 抽出時間 | 煎じ回数 |
---|---|---|---|---|
鉄観音茶 | 95-100℃ | 5g | 1分-1分30秒 | 4-5回 |
武夷岩茶 | 90-95℃ | 5g | 30秒-1分 | 3-4回 |
凍頂烏龍茶 | 85-90℃ | 3-5g | 1分-1分30秒 | 4-5回 |
高山烏龍茶 | 85-95℃ | 3-5g | 1分-1分30秒 | 4-5回 |
東方美人茶 | 85-90℃ | 5g | 1分-1分30秒 | 3-4回 |
お茶をおいしく淹れるコツはこちらの記事でまとめました。
烏龍茶の保存方法
烏龍茶をおいしく飲むためには、茶葉を適切に保管することが大切です。
正しい茶葉の保存方法については、以下の記事にまとめました。
まとめ:特徴を知って烏龍茶を楽しもう
烏龍茶は、その多様な種類と独特の風味により、世界中で愛されています。
この記事で紹介した烏龍茶の各種類を知ることで、より深く烏龍茶の世界を楽しむことができるでしょう。
日常の一杯に烏龍茶の豊かな風味を取り入れてみてください。