緑茶、紅茶、ウーロン茶、麦茶、甜茶、ルイボスティー、カモミールティ、などなど。
私たちの日常の中には、たくさんの種類の「茶」がつく飲み物があります。
お茶は、世界中で飲まれている飲み物ですが、実はその多くが同じ植物から作られていることをご存知でしょうか?
お茶は「チャノキ」という植物が原料です。
その種類は、茶葉の製造工程によって異なり、お茶の味や色、香り、効能に影響を与えています。
この記事では、お茶の代表的な5種類について、その特徴や効能を紹介します。
また、「チャノキ」以外が原料になっている「茶外茶」についてもその特徴や効能を紹介します。
お茶は植物?原料は「チャノキ」
お茶は、「チャノキ」(学名:カメリア・シネンシス)という植物から生まれます。
ツバキ科ツバキ属の常緑樹です。
中国南西部、インド、スリランカなどの熱帯から暖帯の地域に自生しており、日本にも野生化したものがあります。
チャノキは、白い花を咲かせる美しい植物ですが、お茶のために栽培されるときは低木に仕立てられ、新芽の葉を摘み取って茶葉にします。
チャノキが原料になっているお茶は主に、緑茶、白茶、烏龍茶、紅茶、黒茶です。
チャノキ以外が原料になっているお茶は「茶外茶」と呼ばれ、厳密にはお茶ではありません。
お茶の種類
チャノキが原料になるお茶の種類は、主に茶葉の発酵度合いによって分けられます。
発酵度合いによって、お茶の色、香り、味わいが異なります。
緑茶(無発酵茶)
緑茶は、摘んだ茶葉をすぐに加熱して発酵を止めたお茶です。
そのため、茶葉や水色は自然な緑色を保っています。
緑茶は、草のような香りと、渋みと甘みのバランスのとれた味わいが特徴です。
日本や中国が主な生産国です。
代表的な銘柄:煎茶、龍井茶、碧螺春
白茶(微発酵茶)
白茶は、早摘みした若芽を軽く蒸して乾燥させたお茶です。
茶葉の表面に生えた白い毛が、白茶の名前の由来です。
白茶は、繊細で素朴でありながら、フルーティーな風味が楽しめます。
中国が主な生産国です。
代表的な銘柄:白毫銀針、白牡丹、功夫白茶
烏龍茶(半発酵茶)
烏龍茶は、茶葉の酸化を途中で止めた半発酵茶です。
緑茶と紅茶の中間とも言えます。
酸化の度合いによって、色や味わいが異なります。
酸化が少ないものは、緑茶に近く、酸化が多いものは、紅茶に近くなります。
烏龍茶には、花や果物のような香りと、まろやかな甘みが特徴です。
主な生産国は中国と台湾です。
代表的な銘柄:鉄観音、凍頂烏龍、東方美人
紅茶(全発酵茶)
紅茶は、茶葉を完全に発酵させたお茶です。
茶葉は赤褐色に変化し、テアルビジンやテアフラビンという色素分子によって、赤みがかった茶色になります。
紅茶は、しっかりとした味わいと苦みが特徴です。
レモンやミルクと合わせて飲むことも多いです。
主な生産国はインドとスリランカです。
代表的な銘柄:アールグレイ、ダージリン、アッサム
黒茶(後発酵茶)
黒茶は、茶葉を微生物発酵させたお茶です。
代表的なものは、プーアル茶です。
プーアル茶は、緑茶を原料として、渥堆(あくたい)という工程で発酵を促進させます。
渥堆とは、茶葉を積み上げて一定の温度・湿度下で発酵させることです。
発酵によって、茶葉は黒っぽい色になり、土や木のような香りと、深いコクが特徴です。
中国が主な生産国です。
代表的な銘柄:普洱茶(プーアル茶)、六堡茶、安化黑茶
お茶じゃないお茶、茶外茶とは
ここまで、いくつかのお茶の種類を紹介しましたが、私たちの生活の中には、もっとたくさんの「茶」がつく飲み物があります。
例えば、カモミールやルイボスなどのハーブティ、そば茶、麦茶、甜茶などは日々の生活のなかでも見かけることが多いでしょう。
これらは、チャノキ以外の植物の葉、花、果実、種子、根が原料になっていて、「茶外茶」とよばれます。
以下が茶外茶の例です。
- 麦茶…大麦の種子を焙煎して作るお茶。香ばしくコクのある味が特徴です。
- そば茶…そばの実を焙煎して作るお茶。ほんのり甘くてナッツのような香りがします。
- 甜茶…甜茶の葉(テンヨウケンコウシなど)を発酵させて作るお茶。甘くてぬるっとした飲み口が特徴です。
- ルイボスティー…ルイボスの葉を乾燥させて作るお茶で、赤く漢方のような香りがします。
- カモミールティー…カモミールの花を乾燥させて作るお茶で、やさしくてフルーティーな味と香りがします。
- ローズヒップティー…バラの果実を乾燥させて作るお茶で、酸味と甘みのバランスが良く、ローズの香りがします。
まとめ:お茶は、原料・国・製造方法で様々な種類がある!
この記事では、お茶の種類と効能について紹介しました。
お茶は、チャノキという植物が原料で、製造工程や発酵度合いによって、緑茶、白茶、烏龍茶、紅茶、黒茶の5種類に分けられます。
それぞれのお茶には、独自の色や香り、味わいがあます。
また、チャノキ以外が原料になるお茶は「茶外茶」と呼ばれ、麦茶やそば茶、ルイボスティーなどがあります。
お茶の種類を知ると、お茶の魅力がさらに深まります。
ぜひ、自分の好みのお茶を見つけてくださいね。